サンタ、供養す

睡魔に瞼を引っ張られたので書くのを断念した、昨日の出来事です。

 

いつものようにアルバイトに出向くと、いつもと変わらぬ職場の様子。特に思うところもなく出勤すると、ふとひとつ気がついたことがあった。

そういえば先週、サンタのエプロンがどうのこうので一悶着あったような気がする。あれはどうなったのだろう。見ると、件のものを着用しているスタッフは誰ひとりいない。

首を捻って「今日の仕事リスト」に目をやると、一番上に見慣れぬ書面が重ねられていた。

「スタッフの皆様へ」。まずそんな文字が据えられ、つらつらと文章が続く。

「本日はお日柄もよくますますご活躍とご健勝のことと…(中略)…さて、クリスマス用のエプロンに関してですが、スタッフの方から多くの反対意見を頂きました。私としては安価で即効性のある良いアイデアかと思ったのですが(そもそも本部の指示で行なっていたのですが)受け付けない方が多いようなのです…(中略)…そういうわけでクリスマス用エプロンの着用は当店では廃止します。ご迷惑おかけいたしました。--店長」

どうやらパートのおばちゃん方の切なる猛攻が、鉄壁の城塞を思わせた店長の堅固な意志を打ち砕いたらしい。何という結束力だろう。

もともと「着用時期が早すぎる」ということで文句を言っていたはずが、完全に没案となってしまった。私も幼馴染の到来に怯えずに済むので確かに、助かるは助かる。しかし店長がやる気満々という感じだっただけに少し可愛そうである。

そんな店長もおばちゃん達に思うところはあったらしく、「しかしね皆さん、そこまで反対するのなら、ぜひとも対案を出してもらいたいねっ」というような旨を先ほどの書面で述べていた。まあその通りだと思う。ヤメロヤメロといって代替の案を提示しないのは横暴が過ぎる。何より行き場を失ったサンタエプロンが浮かばれない。

いろいろあったけれど、おばちゃん達と店長の確執がこれ以上深まらないことを祈ります。

 

しかし例のエプロン、後でお焚き上げでもして供養しないと、恨みつらみの思念が宿り終いには化けて出るのではないでしょうか。それは困る。

とりあえず、あなたもなかなかエレガントでしたよ、スミマセン、許して、南無三、と心の中でおべっかと釈明と懺悔をしつつ難を逃れることにします。

強く生きていきましょう。

 

(タイトル、無理がある)